どうも、さかなです。
先日販売を開始したチニング用の新作フック「BBH-1 / ビービーエイチワン」。
(ご購入はこちらから)
近年はチヌ類の増加の影響でルアーでチヌを狙うアングラーが増えている印象です。
釣り方として大阪発祥のフリーリグチニングがメジャーですが、他にも直リグやチャターやシャッドなど、いろいろな釣り方が試されている状況です。
またこれまでは餌で行っていた落とし込みもルアーで行うことも多くなり、それ専用としてトトキューブやチヌキューブといったルアーも登場し、徐々にチニング界も盛り上がってきた気がします。
そのフリーリグや直リグなどのチニングや、落とし込みチニング両方に使える針として開発したのが、このBBH-1。
一般的な管付きチヌ針も使えないこともないんだけど、やっぱりルアーには必要だったり不必要だったりする要素があるので、一つの針で両方に使えるようにチューニングしました。
また上記のチニングは基本的には高水温期に行う釣りですが、低水温期にスローに誘う時。
そんな時こそこのBBH-1の本領発揮。
もうそろそろチニングハイシーズンは終了ですが、この針の出番はむしろこれから。
「冬でも二桁釣りたい!」
との思いでコソ練を重ね、2年ほど前から真冬の東京湾でコンスタントに二桁釣れるメソッドを開発。
その名も
「前打チニング(まえうちにんぐ)」
いろいろな釣りに使えるようにBBH-1は普遍的な形状にしましたが、この針が最も効果的なのはこのメソッドで使用した時。
前打チニングについては長くなるので、またシーズンが始まってからにでも。
BBH-1について
こちらは餌にもルアーにも使える両刀遣いの針。
一般的な管付きチヌ針に似ていますが、大きな違いとしては三つ。
- Wケン(シャンクにバーブのようなものが二つ)
- ヒネリなし
- スラントアイ(傾斜したアイ)
1.Wケン
特徴としては商品ページに書いてある通りで、シャンク部にケンが二つもついていて刺した餌やワームがずれにくくなっています。
とはいえ、ルアーに使うのであれば、絶対にワームキーパーやループストッパーをタイイングしないと釣りにならないので過信は禁物。
2.ヒネリなし
一般的な餌用のチヌ針はヒネリが入っていることが多く、これがワームに使うと真っ直ぐ刺せなくてアクションが変わってしまいます。
なので、今回はヒネリなし。
3.スラントアイ
アイが外側に若干傾斜が付いているのはネムリ気味のフックポイントでも、リグった時にポイントが外を向くのでノリが良くなるため。
初期は普通のアイとストレートポイントで試作していたのですが、ネムリ気味にした理由はストレートポイントだと飲まれて魚を傷つけることが多かったから。
スローな釣りになると飲み込まれることが増えるので、針メーカーにできるせめてもの配慮。
また他の特徴としては、
線径(太さ)は一般的なチヌ針とほぼ一緒なので、年なしなどの大型のチヌにも対応可能。
ただルアーの場合はロッドが餌用の竿より硬いことが多く、あまり強引にファイトをするとフックが伸びたり折れたりすることがあるので、#5-6 の大きめの番手を推奨します。
落とし込みの場合は餌やルアーのサイズに寄りますが、フックの存在感を消した方がいいので#2-4の小さめの番手 を推奨。
表面加工は摩擦抵が少なく刺さりのいいフッ素ではなくて、ブラックニッケルメッキ。
これはルアーのホールド性とワームキーパーなどのズレを少なくするため。
フッ素とニッケルメッキの比較実験をしても有意差がなかっため今回はニッケルを採用しましたが、ユーザーさんの声が多い場合は次の量産からはフッ素もバリエーションに加えるかも。
ループストッパーとガード
Wケンにした理由はいくつかあるのですが、一つはタイイングする時に位置の検討が付けやすいため。
ケンがあることによってループストッパーなどをタイイングする時にいつも最適な位置に配置することができます。
こちら最近発売された某フックと似てますが、4年前にすでにインスタで公開してるのでパクリではないので悪しからず笑
タイイングのやり方はこちらの動画を参考に。
「YouTube - TIE or DIE(チヌ用フックBBH-1を用いたループストッパーとガードのタイイング方法)」
あ、動画では重要なことを言い忘れていましたが、ある程度まとまった数をタイイングしたら、ヘッドセメントや瞬間接着剤などでウィップフィニッシャーで巻き留めた箇所を接着してください。
まあ、やらなくても大丈夫な場合がほとんどなんですが、現場での手返しを考えると念の為にやっておいた方がいいです。
タイイングしたフックを収納する場合は、メイホウのこの「スリットフォームケースJ」のようなスリットフォームが付いているケースがおすすめ。
収納方法はフックポイントをスリットに刺すのではなく、ガードが手前に来るように逆向きにスリットに入れます。
こうすることによってループやガードに癖がつきません。
フックルリグ
2022年に今は同業のカツイチさんに、リグ王というおもしろ企画があって、そこに応募したらノミネートしてしまった自作リグ。https://www.katsuichi.co.jp/special/rigoh/nominate/1285-15
こちらはワームに複数本フックを仕込むという邪道中の邪道リグ。
このグラブに仕込むセカンドフックにWケンとアイがあるとすごい便利。
ワームの手とか触覚とかって厚みがないからループストッパーとかだと破損してしまうところを、Wケンだとほとんど損傷がないのがいいところ。
ちなみになんでこんな邪悪なリグを考えたかというと、
「チヌは頭を狙って食うのか?それとも手を狙って食うのか?」
という永遠の命題を検証したかったから。
結果、仕込んだ手の方に掛かることが多くて、
「チヌは頭じゃなくて、手を食う!」
って当時は結論付けたけど、今考えると高水温期に巻きの釣りで実験してたから、それだと大抵後ろから食うことになって、手に掛かりそうだなって。
なんでも早急に結論付けるのは良くないですね。
フックルリグにおすすめのワームはボトムアップのブルズホッグ3inch。
こちらはパドルが分厚くてフックを仕込みやすいです。
しかも両手に2本仕込めるので合計3本。
もうバイトがあれば100発100中。
派生系としてゲーリーのヤマタヌキ2.5inch。
これは尾っぽに一本とシンプル。
ちなみにこちらのリグ名称は「チヌタヌキ」笑
他にもクレイジーフラッパーとかハリーシュリンプとか触覚(?)があるワームの触覚部分に#2の小さい針を仕込んでも効果抜群。
また同じようにしてシーバスのバチ抜け時にワームのテールにフックを仕込むのあり。
特にバチ抜け時の小さいショートバイトもこれなら8割くらい取れます。
さらにこのフックルリグはチニングだけじゃなく、フラットフィッシュにもかなり有効。
さかなみたいに獲った獲物だけで半自給自足的生活をしている人間にとって、効率よく動物性タンパク質を獲るには、バイトがあったら全て掛けたい。
なのでカヤックでマゴチやヒラメなど、食べる魚を狙う時にはよくこのリグを投入します。
そういう海の大きめのターゲットでも強度が担保されていて安心して釣りができるのがBBH-1の良いところでもあります。
バス用のフックとかだとやっぱり弱いんですよね。
最後に
餌用の針をルアーに流用することは多々あっても、やっぱり専用設計の方が便利だし釣果にも結びつくのは皆さんも実感していると思います。
今回のBBH-1はヒネリを無くしたり、ケンをダブルにしたり、アイをスラントさせたり、ちょっとした違いかもしれないけど、そんなことで釣果も釣り易さも全然変わってくるのが面白い。
あと実は発売がこんなにも遅れたのは同時に販売しようとしていた便利アイテムの量産がまだまだ遅れそうだから。
こちらは冬までにはなんとかしたいなぁ・・・。
今後もユーザーさんが望むものをできる限り形にしていけたらなと考えております。
ダンケ🙏